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  • 女王蜂、完全復活!
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  • 二〇一五年三月二五日発売
怪奇恋愛大作戦
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  • 推薦文(ドレス コーズ志磨遼平)
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奇麗
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◆初回生産限定盤<CD+DVD>
AICL2851-2852 ¥3,889+ 税
*完全オリジナル映像作品「残酷」(DVD/収録時間:45分)
*アヴちゃんオリジナル小説「残酷」
*特殊パッケージ:紙ジャケット

◆通常盤(CD ONLY)
AICL2853 ¥2,778+税
初回限定版
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推薦文
(ドレス コーズ志磨遼平)
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オフィシャルインタビュー

自分のことを歌えば歌うほど、“みんなのうた”になるんだなと思った




「祈り」から「祝福」へ——

せつなくてポップで美しい、あなたのために咲いた花『奇麗』。

休止、復活を経た3年ぶりのニューアルバムで、無限大のポップへと向かう女王蜂。その変化をアヴちゃんが語る


インタビュー=井上貴子(rockin’on)


▼4年前、『魔女狩り』の頃から、“恋愛”っていうテーマは決まってた



——まさに改進の一撃!というか、ポップで多くの人の心に届く素晴らしい復活作ですが。『奇麗』は、アヴちゃん自身にとってはどういう作品ですか?

「休止を挟んで色々あったけど、自分のシナリオ通り——というかそれを上回るくらい、音から何からやりたいことが出来ました」

——つまり休止前からこういう作品を作ろうと思ってたっていうこと?

「そう、4枚目のアルバムのテーマは“恋愛”って決めてたから。“混乱”、“狂気”、“破壊”、“恋愛”——画材で言うと、“色鉛筆”、“水彩画”、“油絵”、そして今回は“日本画”っていう。4年前に『魔女狩り』(2011年3月リリースのデビューアルバム)のレコーディング中に、当時まだ小娘だった私がスタッフに向かって、『私、4枚目のアルバムは絶対“恋愛”をテーマに作りたい。どろっどろでボロボロの恋愛をしてそれを昇華したい』って言ったんだよね。で、4年後、見事に——」

——それが現実になったと。

「そう。『でも、出す時は絶対きちんと終わらせて出すの!!』って言ったとおりに、私はやりました。泣きながら」

——なんでそこまでやるの?

「シナリオがあるから。そのシナリオを曲げてはいけない、と。何年かかるかはわからなかったけど、4作目はこうだっていうのがあった」



▼このアルバムは、私だけのものじゃない気がする



——でも、そんなどろっどろの恋愛を昇華した結果、なんでこんなにポップな作品になったんでしょう。


「『自分とうまく付き合えるようになったのか?』とかよく言われるけど……なんか“自分すら他人”というか、すごく無意識な作品。作りたくて作った、っていう動機はあるけど、曲も流れもすごく自然な成り立ちで。不思議よね? 私だけのものじゃない気がする、今度のアルバムは」

——そう。それがアルバムを聴いて一番強く感じたところで。今回の作品は、本当にいろんな変化が感じられる作品で、まず歌唱力がびっくりするくらい進化してるし——。


「ほんま? 嬉しい! 運動神経よくなったんかな?(笑)」

——あと、女子力がむちゃくちゃあがってるし。

「はははは」

——ライブでステージの上のメンバーを観ても、それは感じるんだけど。でもやっぱり一番の変化がそのポップさ。 自分の作品だけど自分だけのものではないとなぜ思えるようになったのかが、今回一番知りたいことですが。


「私が育てたけど、私の作品は私だけのものではないし、私の頭の中のことをこうやって言葉で人に話した瞬間から、共有してしまうから。だから一番いいのは、取っておくってことだよね。私の頭の中には誰にも言ってない曲が大量にあるから、『ふふふ』みたいな優越感はあるけど——でも優越感よりも共有した時の方が、喜びがあるし、育つし……」

——休止というのがその変化と関係してるんじゃないかと思って。「私には音楽しかないってわかった」って、アヴちゃんは休止後のインタヴューで言ってたけど、そこが重要な気がする。

「うんうん」

——それを自覚することで、それまで自分を表現するための武器や道具としてあった音楽が、音楽そのものとして成り立ったというか。アヴちゃんの中で、音楽がより大きくて、普遍的なものになったんじゃないかと思うんだけど、どう?

「嬉しい。女王蜂が大きくなったってことだよね」

——そう。アヴちゃんから生まれた曲、アヴちゃんから生まれた女王蜂が、みんなのものになったっていう。曲や歌詞が自分から生まれたけど、自分だけのものじゃない、って感じることはあった?

「ライヴとかもそうかな。この前やった『ヴィーナス誕生』(2月25日@新宿BLAZE)もそうやけど、みんな私を観て自分を観てるっていうか——そんな感じがする。私ってすごい典型的な人間やと思うから——スペックとかちょっとおかしいけど、私の中には女性像も、女神像もあって、マネキンみたいな感じがする。曲も、その人にあったものを刺激しているっていうか。前は『うおりゃーっ』て感じでやってたし、もちろん今すぐにでもそれはできるけど、でもこのアルバムでは日常を描いてるから。みんなにわからないものはないのかもしれないね、言葉とかも」


▼糸が切れたらどうしよう?って張りつめてたけど、休止しても糸は切れなかった。


「昔はライヴで、すごく張りつめていた、ひとつの糸が切れたら全部だめになる!って感じで。でも、よくよく考えればその糸は切れなかったから。今は、『切れたらどうしよう?』っていう心配がなく、ただ好きなことをやって、色んな人のフィードバックが返ってきてるから、とてもいい感じだと思う」

——その張り詰めてた糸って、具体的にどういうこと?

「さっき『私には音楽しかない』『私には女王蜂しかない』っていうのがわかったって言ったけど、前は、そう思わなきゃだめなんじゃないか? そう思ってないとお金を貰ってるパフォーマンスはできないんじゃないか?と思ってたの。それが『絶対に糸が切れてはいけない!』って見つめてた部分だったけど、でも休止を挟んで、『あ、この糸は切れんかったわ』って。そのあと作品を作っても変わらなかったから、『じゃあ手放し運転で大丈夫だな、ここに関しては』っていう」

——なるほど。だから無意識であることを自分に許せたのかもしれないね。音楽をずっと続けていく、っていうメッセージがこのアルバムからはすごく伝わってきた。それほど強い音楽への信頼——自分の音楽へ確信をすごく感じました。

「ああ、嬉しい! 自分の曲をすごく、自分で信頼できるようになったかも。人に聞かせる前に、『この曲すごい好き!』っていうのが増えたし」

——去年、NHKの『あさイチ』で“鉄壁”を歌って、すごくリアクションがあったでしょ?

「うん、あった」

——そういう出来事も大きかったんじゃないかと思って。「自分の歌が届くんだ!」っていう確信?

「しかもリリースして2年ちょっとくらい経った、ノープロモーションのアルバムをまた聴いてもらえるんだ、『歌詞がいい』とか言ってもらえるんだっていう。当時、休止前にライヴでやってた時と、この前やった時と全然反応も違う。みんなの目が違うし、口ずさんでるし——『“みんなのうた”ってできるんだ、私』って思った」

——みんなに伝わるんだっていう自信にはつながった?


「だから目標がひとつ増えて。実は昔から思ってたけど、私、国語の教科書に歌詞のせて欲しいんだよね、もしくは道徳の教科書とか(笑)」

——確かに、教科書に“折り鶴”とかのってたらすごいね(笑)。「この時の彼女の気持ちを書きなさい」とかテストに出たりして。

「はははは。《なんであいつに鶴なんて折らなあかんの》からの《子があるからよ》。そういうとこまで考えるとすごいよね。“売春”とかも、考える余地をたくさん残せた曲が多いかも」


▼“始発”を書いてる時、初めて涙が出てびっくりした。

「私のこと歌ってくれてる!」って思って


——たとえば“始発”は、アヴちゃんならではの人生観がすごく出ているけど、《プラットホームが誘ってる 飛び込んで来いと嘲笑ってる》という歌詞とか、表現はこれまでよりも他の人とつながりやすくなってますよね。ただ、《愛されるのには疲れたろうと》という表現はアヴちゃんにしかできないと思う。《愛するのに疲れた》という表現はわりと一般的だけど、《愛されるのに疲れた》っていうのはどういう感覚なの?

「《愛されるのには疲れたろと まして愛すなんてやめておけ》と。相手に逃げる余地があると思っていると、自分も軽く行けるけど、相手に本気でがっつりこられると申し訳ない時もあるし、『報いなきゃ』って思ったり。『残酷』(『奇麗』の初回限定盤特典の映像作品)で表現したそのとおりの恋愛で。うまくいくって怖いけど、うまくいかせるしかないし、失敗してはいけないけど、失敗するしかないし、始めることは怖いけど、始めないといけないし——っていう。結局、延長延長で、どれだけがんばって夜を延長してもそのうち朝になるし。『帰りたくない、帰りたくない』って言ってる場所に、気づいたら帰ってきてしまうし。『絶対こんな人にだけはなりたくない、嫌い嫌い』と言いながら、自分もその人そっくりになっていたり……すべてが鏡やし、すべてが線路で繋がってるし。それが全部書けたような気がするな。“始発”を書いてる時、初めて涙が出て。“始発”と“髪の毛”は、レコーディングでボロッボロに泣いちゃって。びっくりした、こんなことなかったから」

——歌っていて泣くことってあんまりない?


「いや、(ライヴでは)泣いてましたね。でも、曲書いて泣いたのは初めて」

——それはなぜだと思う?

「たぶん聴いてる側になったんやと思う。『私のこと歌ってくれてる!』って思って泣いたんじゃないかな。これまで絶対なかったことやと思う。だから自分が他人になったってことだよね。不思議な作りになってきてると思う」

——なるほど。でも優れたアーティストって絶対、自分の中に他人がいるわけだから。対象化したもうひとりの自分が、他人とつながっていけるという。


「あ、そうなん? 私ね、今回わかったんやけど、『自分がないわあ』と思って。『最強に自分ないわ』と思った」

——ラストソング“緊急事態”もこれまでと歌ってるテーマはずっと同じで。いつかはみんな死ぬんだっていうことで。《ああ ただ増えていくようで減ってゆく日々を》っていう表現は素敵だなあと思うけども、そのあとの《使い果たさずあなたと出会えたら》っていうのがすごくこれまでと違って。恋愛相手でも、お客さんでもいいけど、「あなた」に出会えた祝福を最後に曲で歌っているのが、このアルバムのキモだと思います。

「ああー、それ“ワンダーキス”も一緒かも。《まずは出会えたこと馬鹿にされる位 祝いましょうよ》って。ほんとだねー、面白い! 無意識最強だよね。実は、今回は初めてバラード曲ではなくアルバムを終わった。でも“始発”のあとに“緊急事態”が来たら、これはバラードになるだろうと思って。今回は歌詞がバラードなものが多いな。だからせつなさがあるのかな、人によっては」

▼女王蜂の一番のファンは私たち


——休止を経て、初めてのレコーディングに変化はあった?


「休止明けの頃はみんな、『がんばるぞ!』っていうのと、『またやれる』っていう喜びでやってきたけど。1年間ライヴを中心にやってるうちに、信頼関係——っていうとちょっと安っぽくなるけど、お互いの言いたいこと、やりたいことがわかるようになって。お互いのやりたい道が折衷したところに女王蜂の道があるっていう、ありがたいことがわかったから。だからレコーディングもすごく楽しかった。楽しいし、すごくまとまった感じがする」

——前は、アヴちゃんがやりたいことに引っ張っていく感じだった?

「自分がメトロノームというか、クリックにならないといけなかったけど、私が使命感をなくしたかわりに一人一人がもっと使命感を持ってくれてる感じで」


——じゃあ何をやってもバンドが受け入れてくれる安心感もある?

「楽しい。みんなのことがもっと好きになったし。今、すごくいい。ライヴもいいしね。前は『明日死ぬかもしれへん』っていうことをいつも感じてて――もちろんそれは今も感じてるけども。『明日死ぬかもしれへんし、明日死んだら嫌やから、今やれることをがんばってやるんや!』って感じだったのが、休止明けは、『明日死ぬかもしれないんだから、もう諦めて今やってることを自信たっぷりやるんだ』っていうふうに変わった」

——なるほど。自分を受け入れたっていうことなんですかね。


「『エンターティメントできへん』って諦めてたけど、でも、自分の無意識を信じたのかな。申し訳ない気持ちがずっとあって。曲書きたいのに書けへん人だっていっぱいおるし、好きなことでお金をもらってる人なんて少ないんやから……って負い目を感じてた。だけど、『書きたくて書いてるわけじゃないんだ。でも書ける曲は決まってるんだ、無限じゃない』って自分で思ったら、すごい楽ちんになれたというか」

——へえ。

「使命感みたいなのがすごくあった。逆に言うと、今はスタッフの人や、ファンの人や、これから出会う人のほうがよっぽど女王蜂のことを女王蜂として見てると思う。私は今はもう壮大なシナリオを書いて、毎日それを追っていく、っていう感じ。だから女王蜂の一番のファンは私たちっていうか。そんな感じがする」


▼『残酷』は45分間ノーカット、撮り直しゼロの即興二人芝居

——特典映像『残酷』は、別の意味ですさまじい世界観なんだけど、『奇麗』がポップな作品だったからその反動もあった?

「反動はなかった。むしろ『奇麗』のほうが残酷な気がする。『残酷』はすごく優しい作品だと思うし、歌詞の強さが出たかなって」

——これは、どういう経緯で出来上がったの。

「私の中で、実は『残酷』っていうアルバム用に曲が10曲、用意してあって、本当はアルバム2枚組で出したかったっていうのがあって。で、『初回限定の特典映像をつけよう』となったとき、ドキュメンタリーという案がでたんだけど、今から撮るには時間がないし、もっと言えば活動再開の時から撮っとかなきゃ意味がないって。で、監督をやってくれた人に『女王蜂は本物っていうのを知らしめたいんだよね』って言われた時に浮かんだのが、アルバムのテーマでもある恋愛のマッシブな部分を表現したらいいんじゃないか?と思って今回のお芝居の企画を考えて。さらに『奇麗』は45分きっかりやから、『残酷』っていう形で45分間——お互いを45分で補完しようっていう。で45分間、即興二人芝居やったけど、いっさい筋書きを決めなくて。役者さんと本番一時間前くらいから部屋にいて、恋人的な距離になってライヴやってっていう——しかも録りなおしゼロ、カットゼロ、筋書きゼロ。面白くない? 結構奇跡的じゃない?」

——へえーっ! それはすごい。しかもアルバムを象徴する内容になってるよね。

「だけど、シナリオがないっていう。獰猛な作品だと思う。役者さんもちょっとしか泣かへんって決めてたのに、始まったら大の男がわんわん泣いてすがりついて。私が泣けへんっていう(笑)。『触るんやったらお金払って下さいよ』ってあんな言葉が自分から出るとは思わんかった。(ドレスコーズの)志磨くんに言われたけど、『全人類がわかる痴話喧嘩やった』って」
——うまい!(笑) 

「恋愛を枕にして、すごく大きなものを語れた作品だと思う」

▼“折り鶴”って曲なのに希望じゃないのも面白い



「私、今回のアルバムの曲はみんなカラオケに入れたくて。“みんなのうた”って感じかなって、作ってる時から思ってた。いい曲っていうのは、普遍的やと思うし。“ヴィーナス”とかみんなに歌ってほしい」

—— “もう一度欲しがって”“ワンダーキス” “ヴィーナス”の流れはすごいポップだけど、そのあとはいつもの如く怒涛もあって。


「やっぱ怒涛? 今回も。“折り鶴”とか? この曲は、“告げ口”が出来てからその3部作の2作目みたいな感じでとっておいた曲」


——“告げ口”に続き、事故にあった男子に鶴を折ったって《よくなるわけないけどな》っていう要所ない一言が最高なんですが。

「ははははは! もう、5行ですべてがわかるよね。《夜道いきなり襲われてSOS しかし救世主は現れずにABC 裸体撮られ脅され続けたSNS せやからあたし あの日から あたし絶好のおもちゃ》って。——“折り鶴”って曲なのに希望じゃないのも面白いのかもね」

——あとすごく情景が浮かんでくる曲でもある。

「そう。灯油の匂いとか感じひん? 足音とか、夕暮れのオレンジが紺色に変わっていく感じ、大人の先生だけで話し合ってるコーヒーの匂い、理科室の蛇口をひねるとブワッと泡みたいなのが出たりとか——全部ビジュアライズしやすい」
——そうそう。

「でも、面白いよね。“折り鶴”みたいな曲しかできない人もいるし、アゲアゲな曲が得意な人もいるけど、ここまで好き放題やって一本筋通してるのはあんまりおらんかも。そのどっちも獲得できたのが嬉しい」

▼“ヴィーナス”は結局、私のことでしたっていう

——ライヴのMCで、「3年間の思いが詰まってる」って言ってたけど、それはアルバム全体のこと? それとも、特別に3年間が詰まった思い入れのある曲がある?

「アルバム全部かな。でも、一番言いたいのは、ヴィーナスは誰か?っていうこと。『残酷』を観たらわかるけど、ヴィーナスは結局私やった、『残酷』と『奇麗』は同義だったっていう。そう考えると、《総ては初めからあなた次第だ》っていう歌詞なんて、哲学的だなと思うけど。早速ファンの人の手紙とかに書いてあったし。『不倫中の私に勇気をくれました。《あなた次第》って聴いて別れました』とか。『ああ!』って思った。でも結局は、私のこと。ドロドロの恋愛が終わってた時に、ドラマ『怪奇恋愛作戦』の主題歌の話がきて、『ケラさんと打ち合わせしてください』って言われて——でも、自分のこと一番歌ってると思う。《お願い 恐れを乗り越え》とか《お願い 数多の夜を越え》とか《待てない気持ちを抱えて》とか、《最後の最後の二人》とか《ずっと待ってた二人》とか。自分のことを歌えば歌うほど、みんなの歌になる。」

——じゃあ本当にこの作品になるために必要な恋愛だったんですね。

「うーん、そう思いたいから今、がんばってる……」

——なるほど。

「でも、前に私のこと『巫女っぽい』って言ってくれてたけど、おろすべきものは私だったんやな、と思った。崇高なものをおろしてるような感じやったけど、自分を自分でおろしてたんやって」
——でも、アヴちゃんという個が生み出した曲を、今度は他の人のために書くって面白いよね。人に曲を書くなんて前は考えられかったでしょ?

「うん、しかも歌いこなしてくれたことが嬉しい。“微熱案内人”っていう曲を、篠崎愛ちゃんのデビュー作として書いて。それも『奇麗』とつながるものができたし。でもなんか、『女王蜂、ブレイクしたいな』って気持ちが強くなった。それは上昇志向みたいなことじゃなくて、そうなったら絶対面白くなると思うよ」


▼『奇麗』っていうのは、カッコいいし強いものでもあるけど、脆いし恐れるものでもある


——ちなみに『奇麗』のタイトルに込めた意味は?

「糸編をとったのは、奇妙の奇、ビザ—ル。で、ビューティー。奇麗っていうことは、ビザールなことだなって思う。奇麗で麗しさを使う仕事につけばいいけど、そこに興味がなくて日常で生きようとすれば浮くやん? で、トラブルに巻き込まれるやん? 心が奇麗でも、それを活かせる人と会えたらいいけど、そうじゃない人と会ってしまったら、哀しい結末になってしまったりする。『奇麗』っていうのは、カッコいいし強いものでもあるけど、脆いし怖れるものでもあるから、糸編はつけなかった。あと、いくら奇麗で美しいお嬢さんをやっても、目から煙を出すくらいのこと(アルバム・ジャケット参照)をやってしまう残酷さは私の中にあるから(笑)」

——でも、本当に多くの人の心に届く、愛に溢れた普遍的な作品ができたと思います。『蛇姫様』(2012年5月、サードアルバム)以上に音楽的になったというか。バンドの状態もすごくいいし、今後の壮大なシナリオもまた楽しみですね。

「“願い”とか“祈り”は無意識で叶ってきたから。それを、ありがたいと思える自分をどこまで整えていけるかっていうのが人生の課題。地ならししとかないと、喜べないから。それほどもったいないことはないから。今回の作品をみんなが聴いて口ずさんでくれた時、嬉しいと思える自分が今いる。それが最強に自信なのかな? 昔だったら、『嬉しいけど、飽きられるんじゃないかな?』とか、『もっと過激な表現を』とか、『でも過激すぎたらあかんからもっと折衷せんと』とか、『でも折衷すると——』とかいろんな考えがあったけど、今はそうでなく楽しめてる。今の私は、音楽のフレキシブルさをすごく感じてるから。昔は、“音楽の使用方法=ライヴでぶちのめす”くらいしかなかったけど。“破壊する”、“混乱させる”、“狂気で煙に巻く”とか(笑)。でも今は“恋愛する”っていうのができるから。めちゃ楽しい」
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  • 2015年5月17日(日)札幌PENN YLANE24
    〔問〕マウントアライブ電 話/011-211-5600
    チケット発売日:411日(土)
  • 2015年5月20 日(水)名古屋Electric Lady Land
    〔問〕JAILHOUSE電話/052-936-6041
    チケット発売日:411日(土)
  • 2015年5月22日(金)大阪・umeda AKASO
    〔問〕YUMEBANCHI電話/06-6341-3525
    チケット発売日:411日(土)
  • 2015年5月24日(日)福岡DRUM Be- 1
    〔問〕キョードー西日本電 話/092-714-0159
    チケット発売日:411日(土)
  • 2015年5月31日(日)広島Cave-Be
    〔問〕YUMEBANCHI(広島)電話/082-249-3571
    チケット発売日:418日(土)
  • 2015年6月5 日(金)仙台MACANA
    〔問〕ジー・アイ・ピー  電話 /022-222-9999
    チケット発売日:418日(土)
  • 2015年6月27日(土)東京・赤坂BLITZ
    〔問〕DISK GARAGE電話/050-5533-0888
    チケット発売日:523日(土)



※チケット料金:全公演共通3,800円(税 込・ 別途要ドリンク代)

【チケットオ フィシャル第二次先行受付】  
■オフィシャル先行(※抽選制)
【期間】325(水)12:00~42(木)18:00
【URL】 http://eplus.jp/zv15/ (PC・携帯・スマホ)



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